じいじの勘違い(BLOG版)

はてな日記から移動してみました。はてさて、どちらが使いやすいのかな?

Windows8-ReleasePreview(初見)、仕事では全く使えないと感じました。

まだまだ評価はこれからですが、VmwarePlayerへ初めてインストールしてから、数時間ほど色々と操作してみました。

 先ず使ってみた第一印象は、流行のスマホとかタブレットとほぼ同じような感覚でした。

 新しいMetro UIに準拠したソフトは、全て全画面で実行されるため、標準のSTART画面から使用する限りは、スマホとかタブレットの進化したバージョンと言えなくもなく、初心者の方や若者の興味を惹けそうな設計に思えました。

逆に、従来のWindowsXPや、Windows7などの環境で業務を行っている利用者の感覚では、途轍もない違和感を感じます。

 「MetroUIに準拠したソフトは、全て全画面で実行される」事により、WordやExcelなどで資料作成しながら、資料作成に必要な情報をネットで検索したり、業務アプリを起動して報告用のデータを検索したり・・・と言うような、従来スタイルでは複数のWindow(画面)を立ち上げて、複数の操作を同時並行で実行しながら進めてきた仕事のスタイルとは真っ向から異なるため、Metoro UIが強制するアプリケーションの全画面表示は、従来の仕事スタイルに慣れた多くのビジネスユーザが対立を感じる可能性が予想されます。

 非常に多くのケースで、Microsoftが提供する標準のツールは(機能面、または価格面の問題で)全く役立たず、サードパーティオープンソース系または自社開発のツールを活用して、業務を進める事が多い現状を差し置いて、お仕着せ(押し着せ)の如くMicrosoftの標準ツール利用を強制するイメージが全面に押し出されており、全く魅力を感じないOSと感じました。

 従来の複数Windowsを使う画面は、START画面から選択できるデスクトップ画面しかありませんが、Windows7までに存在した「スタートメニュー」が廃止されたため、従来スタイルの仕事の進め方では非常に使い難い画面となっています。

 デスクトップ画面からアプリケーションを起動する為には、

 ①デスクトップへショートカットを作成する。
 ②画面右下(または右上)へカーソルを移動して表示される一覧からSTARTを選択。
 ③Windowsキー+Rで、ファイル名を指定して実行プログラムを指定する。
 #蛇足:コントロールパネルを起動すると、強制的にデスクトップ画面へ遷移。

といった方法しか、数時間の操作では解りませんでした。

 ひょっとしたら、もっと画期的な操作簡略化方法があるのかも知れませんが、従来のWindowsに習熟した利用者が数時間操作して分からない=Windows8への慣熟工数を要する、つまり、安直にWindows8乗り換えキャンペーンに乗った企業は、サポート工数の肥大化で大火傷する、と言うことの証左でもあります。

 ごく一般的な会社では、XBOXなどを含むゲーム機能や、音楽機能などは全く不要ですし、仕事中にチャットやツイッター及びFacebookばかりに熱中されたら明らかに仕事の効率も低下しますし、何よりも企業内でエンドユーザが勝手にMicrosotStoreからアプリをダウンロードしたら、資産管理や運用環境統一が崩壊しますので、これらの機能もまた絶対に不要であり、グループポリシーなどで役割を削除したいと思いました。

 メール機能に関して、多くの企業ではWEBメールや、許可されたメールクライアントを指定しているケースが多く、ISMSなどの認定更新うんぬんなどとも関連することから、多くの評価工数(=費用の追加発生)を要する社内規程・標準ツールの置き換えなどにも非常に消極的です。

 ICT業界に携わって数十年、ゲーム機と見まごうばかりのOSが業務に採用されたら、声を大にして反対します。

 つまり、企業向けPCの運用管理部門から見れば、不要な機能が満載されており、かつ従来通りの操作ができなくなる点で、日本企業の多くにとって新OS採用のたたき台にさえ載せられません。

 このプレビュー版のWindows8に限って言えば、従来通りの仕事環境では使えない、ダメダメOSです。

 「Windows Vistaの悪夢再来」と申し上げても、決して過言ではないでしょう。

【補足】7/13 23:45追記

 以下のMicrosoftAnswers記事によれば、Metroインターフェースを廃止して、従来のSTARTメニューに戻す方法は無くなったようです。
 益々もって、企業では採用できないですね。関与するクライアントなどには、Windows7延命を進言します。

 http://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/windows_8-desktop/win8cp-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84-ui/e713b61b-12ca-4073-96c9-85fba7641993
 http://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/windows_8-desktop/win8cp/eb06d9e4-b6df-41c5-ac9a-d7b9bfeccc15

 企業にとって新しいPCの導入検討時に重要な事は、UIの革新ではなくて、従来からの「業務継続性の確保」です。

 Microsoftさんには、同社の販売戦略やポリシーに基づく主張がお有りでしょうし、新しい企画を立案し売上を確保する事が重要な点は理解できますが、運用やエンドユーザサポート担当部門にとっては悪夢のOS(教育orQ/Aの著しい工数増加に加えて、新OS準拠の新たな運用方法確立・検証工数まで発生する)でありますので、基本的に真っ向から反対させて頂きます。

 本当に迷惑極まりないので、企業部門には欲を出さず、コンシューマ部門でのWindows8を推進して下さる事を希望致します。
  ⇒2014年までWindows7WindowsXPのサポートが継続しますし、今回のWindows8は捨てて、次世代OSに期待することにします。

【補足2】7/14 14:30追記

 Windowsのライフサイクルについて誤記がありましたので、訂正しました。
 
  ⇒Windowsのライフサイクル
   http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows/products/lifecycle

 Windows7のライフサイクルは現時点で規定されていませんが、Windows8の正式販売開始とともに、訂正される可能性があります。
 
  ⇒ライフサイクル関連サイトには、以前の記述があるようです。
    http://support.microsoft.com/lifecycle/?c1=509
    http://support.microsoft.com/gp/lifepolicy

 上記から、Windows7の延長サポート終了は「2020/01/14」、ダウングレード権の存在もありますので、Windows8見送りは問題ありません。

 ★資金力がある企業ニーズに限定するなら、シンクライアント+VDI(仮想デスクトップ技術)で、問題を簡単に解決できます。
   ⇒http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/operation/vdi01/vdi01_01.html

  大略すると、サーバ仮想化の技術を転用して、PCのデスクトップ自体を仮想化し、シンクライアントなどから利用する技術です。
  利用者PC側で、ローカルHDDやUSBなどへデータ保存できない点と併せて、セキュリティ対策で採用する裕福な企業もあるようです。
   ⇒高価なのが玉に瑕、Vmaware系だと更に高価になります。

 多くの企業では投資可能なコスト面の制約から、社員PCと文書(ドキュメント)用サーバ(時にはNASで代替)という廉価版環境が群を抜いて多く、かつてのWindowsVista同様に使い辛くなったWindows8への転換は見送られる事と思われます。